ビールタイプを分かりやすく、原料や醸造法の違いごとに15タイプに分類。 それぞれの特徴を知り、違いを比べてみよう!
ピルスナー
ベルギーで消費されるビールのおよそ70%がこのタイプ。本国では“ピルス”の愛称で親しまれる。チェコのピルゼンという町が発祥と言われるが、なぜピルスナーが突如世界中で爆発的人気を得たのか?その答えは、家庭にあるモノがきっかけだった。それは・・・冷蔵庫!冷蔵技術の発展でピルスナーを適温で発酵・製造できるようになり、また通年で大量生産と長期保存が可能になったのだ。
副原料に米、とうもろこし、スターチなど使用。キンキンに冷やして飲むと、喉越し爽快。ホップの香り、風味、苦みが特徴的で、とても飲みやすい。ベルギーのピルスナーは上品な味わい。
白身魚のフリット、チーズ、アヒージョ、焼き鳥
ホワイト・ビール
もともとベルギーで多くの醸造所で造られていたが、1516年ドイツが「ビール純粋令」で原料を麦芽のみに限定したことでピルスナーが台頭し、1957年にはホワイト・ビールの醸造所がすべて消滅してしまう。しかし1966年、ピエール・セリスの情熱によりホワイト・ビールを「ヒューガルデン・ホワイト」として復刻!セリスが“ホワイト・ビールの神”と呼ばれる所以だ。
白く濁った色味。副原料にオレンジピールとコリアンダー、他にカモミール、アニスなどが使われる。クローブやバナナを思わせるフルーティーな香り。旨みを閉じ込めるフワフワでクリーミーな泡
ムール貝の蒸し焼き、スズキのソテーなどの魚介類、魚の塩麹焼き、サンドイッチ
トラピスト・ビール
トラピスト会の修道院でのみ造られる。ペストによる感染症が流行していた時代、水よりも安全な飲み物としてビールが重宝されたのが始まり。当時は修道士の飲用として、宿泊する巡礼者にも振舞われた。断食の期間もこれだけは飲むことが許されたという。そんなトラピスト・ビールを名乗れる醸造所は、世界でわずか9箇所だけ(2024年2月)。うち5箇所がベルギーにある。ラベルには「Authentic Trappist Products」という独自の「六角形のATPマーク」が使用され、歴史と宗教と伝統が詰まったレアなビールだ。
熟した果実を思わせる甘みと複雑な味わい、個性的なビールが多い。高アルコールが特徴的
ステーキ、シチュー、タルタルステーキなどの肉料理、馬刺し
アビィ・ビール
“アビィ”とは修道院のこと。修道院に伝わるレシピを基に、修道院から委託された民間醸造所が造る、またはトラピスト会以外の修道院が醸造に関与しているビールがアビィ・ビールと呼ばれる。時にトラピスト・ビールと混同されるが、アビィ・ビールはラベルにATPマークが載ってないので区別しよう。
フルーティーさと、ブラウンシュガーのような甘み。苦味とコクのあるリッチな味わい
肉料理、ウォッシュタイプのチーズ(強い匂いが特徴的なチーズ)。とんかつ
ゴールデン・エール
名付け親は、マイケル・ジャクソン。とは言え、あの“キング・オブ・POP”の方ではなく、“キング・オブ・HOP”と呼ばれる同姓同名の人物の方。マイケルは全世界にベルギービールを広めたベルギービール界の超有名人だ。彼が「デュベル」を「世界で一番おいしいビール」とコメントしたことで、「デュベル」を基準にアルコール度数の高い、黄金色のビールが“ゴールデン・エール”としてカテゴリされるようになった。このビールタイプのラベルや名前には、悪魔やアルコール中毒、ドラゴンなどホラーかつヒールなモチーフが使われているのも特徴だ。
しっかりとしたコクの中に、フルーティーさが心地よい上品なビール。美しい黄金色、豊かな泡立ち、高めのアルコール度数
フリッツ(フライドポテト)など揚げ物、スペアリブなど肉料理、ピザ、BBQ
フルーツ・ビール
果物のジュースやシロップを入れて造られる。ここ十数年、チェリーや木苺などのフルーツの甘みを凝縮した甘いビールが増えてきた。これを邪道と取るのは、昔からのビール通。普段ワインやカクテル、ソフトドリンクを飲む女性や若者には大人気だ。ビールが苦手な人こそチャレンジしてみる価値がある。
上品な甘みと、フルーツの優しい香り。ビールが苦手でも、ジュースやカクテル感覚で飲める
デザート全般、カッテージチーズ入りサンドイッチ、ブルーチーズ
ランビック・ビール
ブリュッセル南西部に位置するパヨッテンラント地域のゼンネ渓谷周辺でのみ醸造される、希少で独特なベルギービール。自然に生息する野生酵母やバクテリアを利用して自然発酵させる伝統的な方法。この醸造方法により、ランビック特有の複雑で酸味のある、特有な風味が生まれる。
とにかく酸っぱい!爽やかな香りのものや、鼻にツンとくるものも
鶏肉などのホワイトミート、寿司、酢の物
フルーツ・ランビック
ベルギーの伝統的な自然発酵ビール「ランビック」に、チェリー、ラズベリー、ピーチなどの果実を加えたスタイル。 フルーツの甘みが、ランビック特有の風味や酸味に調和し、非常にドライなものからほどよい甘さのものまで、爽やかで華やかな味わいを楽しむことができる。
フルーツ・ランビックは、自然発酵から生まれる酸味とフルーツ由来の自然な甘さが絶妙に調和した、爽快なビール。種類によって、ジューシーなチェリー(クリーク)、熟したラズベリー(フランボワーズ)、みずみずしいピーチ(ペシェ)などの風味が楽しめる。爽やかな酸味と、シャープな後味、そして弾けるような炭酸が楽しめる。
チーズ、デザート(特にチョコレートムース!)、鴨ロースなどの香ばしい料理、ゴートチーズを使ったサラダ
レッド・ビール
西フランダース地方で醸造されたユニークな酸味のあるビール。複合発酵で造られたこのビールは、大きなオーク樽の中で長期間熟成され、フルーツを使用していないのに、特有の赤い色で、フルーティーな酸味を備えたビール。
フランダース地方の西部で古くから造られている伝統的な赤褐色でマイルドな酸味のあるビール。フルーツは使用していないが、とてもフルーティーで上品な味わい
シュリンプカクテル、白身魚のソテーなど魚介類、酢豚などの中華料理
セゾン・ビール
時は16世紀、感染症の流行により、危険な生水の代わりとしてビールが重宝されていた。農家でも夏の農作業中の飲料として、収穫した穀物によるビール造りが始まった。それがセゾン・ビールだ。冬に醸造し、夏まで発酵・熟成をしていたことが名前(“季節のビール”の意)の起源とされ、今では通年で飲まれるほどポピュラーになった。作業中に飲むため、アルコール度数をやや低めにするなどの工夫がされている。
口当たりはとても軽やか、ドライな酸味の中に果物やハーブを感じさせるような華やかな香り
ローストチキン、ムール貝の蒸し焼き、レモンシャーベット、
IPA
発祥は英国で、インドへ輸出するにあたり、腐敗しないようたくさんのホップを加えて造られたビール。現在は米国で空前のIPAブームが到来したことで、クラフトビールにはIPAが多い。この米国のIPAは苦みが強く、ベルギー人の舌には合わないらしい。ベルギーのIPAはというと、まろやかな苦みに華やかな香りが特徴的!
ホップの豊かな香り、グレープフルーツのような柑橘系のフレーバーを伴ったまろやかな苦みが広がる
シーザーサラダ、羊肉のグリルなどの肉料理、たこ焼き、ダークチョコレート
スペシャル・ブロンド
ベルギースタイルのスペシャル・ブロンドビールは、ミディアムからライトなボディと、中程度のアルコール度数の金色のビール。一般的に飲みやすく、ホップの苦味は比較的控えめで、心地よい味わいが特徴的だ。
ライトからミディアムボディのエールビールで、モルトの香りが少なく、スパイスやフルーティーな香料のような特徴がある。
フリッツ、フィッシュ&チップス、サラミ、シーフード
スペシャル・アンバー
適度なアルコール度数で飲みやすい琥珀色のビール。アンバーという名前は、ビールの色に由来しており、醸造用に選ばれたペールモルトがその由来だ。 ライトラガーよりも複雑なビールをお探しの方に特にお勧め。
トーストしたパン、ナッツ、キャラメル、ハチミツなど程よいモルトの風味が感じられる。ホップは比較的控えめで、スパイシー、ハーブ、フローラルな香りが特徴的だ。
肉料理、ハンバーガー、ピザ、ソーセージ、チェダーチーズやゴーダチーズ、パンプキンパイ
スペシャル・ブラウン・ダーク
キャラメル、コーヒー、チョコレートなどの濃い味わいと、高いアルコール度数が特徴的。このスタイルのビールは、複雑な味わいのフルボディがお好きな方にお勧め。
ダークフルーツ、チョコレート、キャラメルの香りと、やや甘くてモルティな味わいが特徴的。また、ユニークな酵母を使用し、スパイスを加えることで、スパイシーな風味も感じられる。
グリルチキン、ステーキ、チョコレート系デザート、パンプキンパイ
ノンアルコール
つまりはアルコールの入っていないビールのことだ。通常のビールと同様に造られており、味や香りなどの質はほぼ同じ。アルコール抜きのビールを楽しみたい人には、リフレッシュできる選択肢となるだろう。
味わいはとても軽くて、飲みやすい。
なんでもOK!サラダ、シーフードー、グリルチキン、グリルした野菜などなんでも


